相続で不動産評価が変わる前に家族で整える財産
2026/08/09
相続で不動産評価が変わる前に家族で整える財産
相続は、亡くなった後に始める手続きと思われがちです。けれど、令和8年度税制改正大綱では、相続税の「財産評価の適正化」として、貸付用不動産や不動産小口化商品の評価見直しが示されています。相続財産に不動産があるご家庭ほど、早めの整理が大切ですね。
目次
- 相続税の基礎控除で申告の入口を見分ける
- 貸付用不動産と小口化商品の評価を早めに点検する
- 争族を避けるために家族と専門家で整理する
1. 相続税の基礎控除で申告の入口を見分ける
相続税の入口でまず確認したいのは、基礎控除です。現在の計算式は3,000万円+600万円×法定相続人の数です。たとえば、財産の合計がこの枠を超える可能性がある場合、相続税申告の準備が必要になります。
ただし、ここで迷いやすいのが財産の拾い漏れです。預貯金だけでなく、土地、建物、有価証券、生命保険金、貸付金なども確認します。相続対策の記事でも、生前贈与、不動産、生命保険が具体的な対策として扱われていますが、どれも税務上の扱いを誤ると負担が変わります。
「うちは大きな財産がないから大丈夫」と思っていたが、自宅土地の評価で基礎控除を超える。そんなケースもあります。相続では、金額の感覚だけで判断しないことが大切です。
2. 貸付用不動産と小口化商品の評価を早めに点検する
令和8年度税制改正大綱では、貸付用不動産と不動産小口化商品の評価が見直し対象として挙げられています。不動産投資による相続税対策についても、駆け込み購入や小口化商品への規制強化が話題になっています。
ここで必要なのは、節税になるかだけを見ることではありません。次の資料をそろえると、相続時の論点が見えやすくなります。
- 固定資産税課税明細書
- 登記事項証明書
- 賃貸借契約書
- 借入金の残高が分かる資料
- 不動産小口化商品の契約書類
資料を並べると、誰が管理するのか、売るのか残すのか、収益は安定しているのかが見えてきます。相続税対策のために持った不動産が、家族間の負担になることもあります。意外にも、税額より先に「管理できる人がいるか」が問題になるのです。
3. 争族を避けるために家族と専門家で整理する
相続で避けたいのは、税金だけでなく家族間の行き違いです。財産の一覧、相続人の確認、遺言の有無、不動産の利用状況を早めに共有すると、話し合いが進めやすくなります。
私たち加勢清晴税理士事務所では、相続税対策や申告だけでなく、争族を防ぐための判断も大切にしています。平成14年の税理士登録・開業以来、船橋市を中心に地域に根ざし、思いやりのある温かな対応と綿密な打ち合わせを心がけてきました。必要に応じて、弁護士、司法書士、不動産鑑定士、保険アドバイザーなどの専門家ネットワークとも連携します。
相続は、財産額だけで結論が出るものではありません。不動産の評価、家族の関係、納税資金、今後の暮らしを合わせて考える必要があります。まずは財産を一覧にし、基礎控除と不動産評価の確認から始めてみてください。迷う部分があれば、早めに専門家へ相談することで、家族にとって納得しやすい相続に近づきます。

